家族崩壊
10歳頃から、なんだか胸騒ぎがして寝付けない日があり、その日には必ずあることが起きます。
それは、父が母へするDVの鑑賞会です。
寝たいのに寝れない日・・・
「ガチャ」と玄関が開く音がし、怒鳴り声がし、
そして足音は私が寝ている部屋へ。
「起きろ!見とけ!」
と父にリビングに連れて行かれ、そこには兄も。
そこで見せられるのは、父親が母親を殴る蹴る姿。
母親はうずくまり、とにかくずっと蹴られている。
時々父が母の腕を引っ張って体を起こさせ、また殴る蹴るの繰り返し。
「うわぁぁぁぁ」のような、「ぎゃぁぁ」のような悲鳴の渦。
ただ泣きながら見ることしかできない、兄と私。
小さいころ、こんなことがよくあった。
父曰く、こういうのも包み隠さず子供に見せるのが正解だと。
その頃は正解が何かもわからず、逃げ出すこともできず、
とにかく毎日家族が笑って生活できるように、細心の注意をはらって生きていた。